ウトナイ湖サンクチュアリには「タスオ池」と名称のついた池をご存じでしょうか。
キタキツネの小径の道脇にあり、林にすむほ乳類や野鳥の水飲み場や水浴び場、また、エゾアカガエルなどにとっては産卵場ともなっていて、大変重宝されている水たまりです。
ところが、雪解け水のある春先や雨の多い秋などを除くと、すっかり枯れてしまうことが多く、もっと水を枯らさずにいられる方法はないか、と毎回頭を悩ましていました。

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 ある夏のタスオ池。すっかり干上がっている

そんな時、ウトナイ湖ファンクラブ会員の方を対象とした「ファンクラブの集い」の中で、「水田の漏水防止などにも使用されるベントナイト(粘土質)というものがある」と会員の方が教えてくださり、さらに、その物自体を送ってきてくださったのです。

バタバタと日々の業務を行っていたら、なかなかチャレンジする機会をとれず、さあできるぞ!と息巻くと、池自体が干上がっていたり…と悶々としていたのですが、ついに今月、取り掛かることができました。
これからの季節は、干上がるというよりは凍ってしまう確率の方が高いため、効果を確認できるかはまだわかりませんが、もし、来年の夏も水が残ってくれていたら、レンジャー及び、エゾアカガエルのオタマジャクシの寿命が延びることになりそうです。

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 水で白っぽい泥をよく溶いて、池でもよく撹拌する tasuo1118
 一週間後、沈着したためか上澄みは透明に

今後も気を付けて「タスオ池」を見守っていきたいと思います。


……ちなみに、「タスオ池」の名前の由来は…?
この池は実は、自然にできたものではありません。ネイチャーセンター開設初期に、ボランティアの方などが掘ったり補強したりしてできた人工の水たまりなのです。
名前は、順に池を掘り進めた「タザワさん、スガタさん、オダさん」の頭文字から付けられ、命名者は初代レンジャーの安西さんです。

この秋、タスオ池の「オ」の方で、ウトナイ湖ファンクラブの会員でもある織田さんが当サンクチュアリを訪ねてくださいました。その際に、ウトナイ湖と関わるきっかけや、タスオ池はどうやってできたのかなどを聞かせていただきました。その時のお話はまた後日。(小山)

*ウトナイ湖ファンクラブについては コチラ をどうぞ。