2016/03

3月はガン類がウトナイ湖にたくさんやってくる月、ということで、イベント満載!
無事に終わったもの、現在も開催中のものを含めて、様子をお知らせいたします。
  ※『第2回 雁(がん)のいろいろアート展』は4月まで開催中です。

雁イベント①
19日の夕方に開催した、雁のねぐら入りを観察する
「たそがれに雁を見る会」
(日本野鳥の会苫小牧支部との共催)tasogare914
前日18日に今年ピークとなる10万羽以上を数えていたこともあり、ウトナイ湖へねぐら入りする様子はとても迫力がありました。
この時は、ハクチョウの小径の中ほどにある通称・船着き場での観察となり、背後の林(千歳方向)から頭の上を通ってウトナイ湖へ着水する雁を観察することができました。参加者は32名。「ガンが帰ってくる様子が素晴らしかった」などの感想もいただき、みな大満足の様子でした。


雁イベント②
27日の早朝に開催した、雁のねぐら立ちを観察する
「あかつきに雁を見る会」
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ピークの総羽数を数えてから、一週間後。ウトナイ湖よりも北の地域の雪解けが進み、一気にねぐら利用が減っていました。参加者は14名。雁の飛び立ちや、カモやハクチョウのしぐさ、水面にもやがかかって幻想的な美々川河口など、早朝ならでは風景に参加者は見入っていました。

上記はいずれも中村レンジャーが案内しました。
雁がどの時期にたくさん渡ってくるのか、それが毎年この行事の悩みどころです。
今回は「たそがれに~」にピークがピタリと合いましたが、こんな風にうまく当たることの方が少ないかもしれません。
「この日辺りにみんなで行くよ」と雁たちが早めに便りでも出してくれない限り、来年もきっと、はらはらどきどきの日程になりそうです。


雁イベント③
雁は現在、道内をじりじり北上中。4月下旬までは見られるものと思われます。
移動をする彼らに思いを馳せながら、
「第2回 雁のいろいろアート展」を、ご覧になりませんか?
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今年は、地元小学生(植苗小学校3・4年生)の紙粘土の力作や、デザインTシャツ、卓上のオブジェ、写真、イラストなど約50点が集まり、にぎやかな展示となっております。
雁が北海道に滞在している4月の終わりまでに、是非、足をお運びください。   (小山)

 ※「第2回 雁のいろいろアート展」については、こちら

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湖の様子
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よく見るとカモ類の姿が…ぼやけてあまり見えずごめんなさい

先日3月27日(日)の15:00~16:00に、ウトナイ湖北岸の巡回を行いました。

衰弱・死亡個体等の異常はありませんでした。
確認された水鳥や猛禽類は下記のとおりです。
ヒシクイ、コハクチョウ、オオハクチョウ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、コガモ、キンクロハジロ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、トビ、オジロワシ、オオワシ、チュウヒ

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対岸の木にとまるオオワシの成鳥

今年は3月半ばで湖の氷がすっかり融けてなくなったため、ワシ類もオオワシやオジロワシも対岸の岸辺や樹上にしかとまれず、発見しにくくなっています。
この日はハクチョウ類やカモ類が多く、見ごたえがありました。ただし、風が強く、さむかったです。 

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オオハクチョウ飛翔

 (小山)

前回のブログ(3月23日のガン類続)後のガン類について、まとめて報告します。
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3月24~26日にかけて、早朝にボランティアの方と雁カウントを行いました。その結果、24日は7000羽前後、25&26日は2800羽以上を確認しました。
26日の調査では、マガンの群れの中に絶滅危惧種のシジュウカラガンを25羽以上いるのを確認しました。
いつもだとマガンの中に1、2羽交じっている、という感じだったのですが、数が増えたためか、マガンの中にはいるものの、シジュウカラガンはシジュウカラガン同士でまとまって行動をしているようでした。保護増殖事業が実を結んできているようです。

この3日間、まだ陽が明けないうちにカウントの準備をしていると、近くの水辺で休むコブハクチョウと共に行動している居残りヒシクイに楽しませてもらいました。
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このヒシクイ、カウントをしているデッキそばに好物があるらしく、目が覚め行動を開始すると、まず、こちらの近くへやってきます。そして調査している人間を気にしつつも何かの根か茎(ヨシ?マコモ?)を水の中から引っ張り出し、やっぱり人が気になるのか、口にくわえたまま遠ざかります。
そして離れたところで「ぱりぱり」と音を立ててうまそうにお食事。
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コブハクチョウがそれを見て、そんなにうまいのか?と試みたようですが、あんまりお口に合わなかったようで、さっさといなくなってしまいました。
一緒に行動していても、食の好みは種類によって違うんだぁとちょっと意外でしたが、だからこそ、一緒にいられるのかも?と思ったできごとでした。 (小山)

ガン類について続報です。
先日、10万羽越えの情報をお届けしたばかりなのに、早くも減少のお知らせです。

今朝(3/23)、有志Iさんと今日のガン類の数えてみたところ、本日は8500羽以上。
数日前よりもかなり減っています。

前日22日早朝にはウトナイ湖2万羽以下(Iさん)だったという情報もあり、もしや、と思っていましたが、一気に数を減らしたのを目の当たりにすることになりました。
ちなみに、千歳市の長都沼には同日早朝、3万羽ほどいた(Hさん)という情報をいただきました。

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本日2月23日の朝の様子
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1万羽を切ったとはいえ、飛び立つと迫力はあります

ウトナイ湖で彼らを見つめる私たちにとっては、もう行ってしまうのか…? という不安と寂しさがありますが(ただし、天候や状況によってはまたウトナイ湖をねぐらにするものが増えることも考えられます)、ガンたちにとっては、この後、なるべく早く繁殖地へ行き、子育てをし、来秋に幼鳥を連れてまた日本などへ戻ってこなければならないという忙しい生活が待ち受けています。
となると、早く北上できるのは彼らにとって喜ばしいことなのかもしれません。


【お願い】
ガン類は非常に警戒心の強い野鳥です。ちょっとしたことで驚き、飛び立ってしまうことがあります。観察は以下のことを留意して行ってください。
①ガン類に近づきすぎない
②フラッシュを使用しての撮影はしない
…また、暗い中の移動で懐中電灯やヘッドライトをご使用になるかと思いますが、
③ガンのいる付近(湖岸)に近づいたらライトを消す※暗いうちは遠くまで光が届きます
これから長い旅をするガンたちが安心して休めるよう、温かく見守ってくださいね。

【お知らせ】
 ネイチャーセンターでは27日に「あかつきに雁を見る会」を行ないます。どうぞご参加ください。詳しくはコチラをどうぞ。


(小山)

春の兆しにはいろいろありますが、本日までに「ガンカモ・ハクチョウ類の飛来(北上)」「エゾアカガエルの産卵」「ヒバリの到着」「ハンノキの開花」…だいぶ消化してきました。

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ハンノキの雄花。「ハクチョウの小径」付近の花が垂れ始めました。振ると黄色い花粉がこぼれます

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エゾアカガエルの卵塊(ネイチャーセンター・ボート池)
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カエル卵アップ

次は「ナニワズの開花」でしょうか?
ともあれ、一つ一つがクリアされていくうちに、春が近づいてくるのを感じます。
 (小山)

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