カテゴリ: 勇払原野の保全

当会では、ウトナイ湖を含めた勇払原野の豊かな自然環境を後世まで残していくため、保全活動を進めています。本活動では、定期的に自然情報収集調査を行なっていて、得られた情報は、勇払原野の保全の必要性を広く提言していく際に役立つのです。
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◎春の弁天沼の風景。4月3日、撮影

4月は、6回巡回に行き、37種の野鳥を記録しました。勇払原野でよく見られたのは、南から渡ってきたノビタキでした。
ノビタキDSC_8911

◎4月18日、撮影
草原や湿地では、ノビタキの軽やかなさえずりが響きわたり、春の訪れが感じられました。

オオジシギの迫力あるディスプレイ飛行もよく見られました。
オオジシギDSC_9273

◎4月25日、撮影
昨年、当会が渡り経路を把握する調査のために衛星発信機を装着したオオジシギがオーストラリアから勇払原野に到着しました。このまま繁殖するのでしょうか?
※詳しくは、オオジシギ保護PJのFacebookページをチェックしてください  
 
そして、勇払原野を去っていく鳥も見られました。
マガンDSC_9230

◎4月25日、撮影
4月25日、マガンの群れ69羽が北へ飛んでいくのが見られました。繁殖地であるロシアまでは長い旅となりますが、無事に渡っていってほしいものです。

勇払原野が鳥たちの繁殖地としても渡りの中継地としても重要な場所であることが再認識できました。今後も情報収集を進め、河道内調整地のラムサール登録などのミッション達成のため引き続き活動を継続していきます。

INABA

 野鳥の繁殖期を迎え、私たちレンジャーは、ウトナイ湖や周辺の勇払原野で、生息状況を把握するための調査を行なっています。
 鳥たちの活動が活発になるのは日の出前から。一部の鳥種を除き、早朝はさえずりが最もよく聞かれる時間帯です。ということで、つまり、調査を開始するのは、鳥たちの活動に合わせ、おおよそ午前4時前後。ふだん7時頃に起床する私には、ちょっぴりツライ。(正直、早起きは苦手なんです)。
 ただ、最初はぼんやりしていた目と頭も、姿や声を見聞きすると、やる気スイッチが入り、徐々に冴えてくるのでした。(中村 聡)

写真1.
調査地に向かう途中で、日がのぼりはじめた

写真2.
霧がかかる原野でマキノセンニュウがさえずる

写真3.
白いワタスゲが目立つ中、カキツバタが咲いていた

写真4.
いずれも苫小牧市内。市街地近くにこんな自然が残る


ネイチャーセンターはただいま臨時休館中。こちらをどうぞ。

「勇払原野とことこツアー」参加者募集中。こちらをどうぞ。

皆さまこんにちは。

今日は天皇誕生日で休日。晴れたり吹雪いたり、変化の激しい空模様でしたが、そんな中でもバードウォッチングに訪れる来館者の方が多かった印象です。私も少し時間をもらい外を歩いてきましたが、キツツキの仲間であるコゲラ、アカゲラ、オオアカゲラの他、ハシブトガラ、ゴジュウカラ、マヒワ、ヒヨドリ、そして上空を飛ぶオオハクチョウの姿を確認できました。

本日のフォトジェニックバードはこちらです。
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こちらを向いたゴジュウカラ。コワイのかカワイイのかはっきりしてほしいところです。

さて、春の渡りシーズンまであと少しとなりました。気の早い渡り鳥ファンの方は、今年は早いのか遅いのか、ソワソワしている様子です。ここでガン類の昨年度のカウント結果を見てみましょう。
ガン

ざっくり言うと3月初旬から増え始め、中旬にピークを迎えます。今年も概ねこのような結果になると思いますが、いかんせん相手は自然ということでご理解をください。状況は逐一、サンクチュアリのホームページ、このブログでお知らせをする予定です。ピーク時の早朝もしくは夕方に合わせてお越しください。一生モノの光景を見られますよ。

ウトナイ湖サンクチュアリでは今年も雁の渡りに合わせてイベントを行う予定です。みんなでワイワイ雁を見たい方はご参加ください。ちなみに、楽しみ方は人それぞれ、一人で見るのが好きな方もいると思います。そんな方はイベント開催時を避けてお越しください。なお、早朝、夕方ともまだまだ寒く足元も悪い時期ですので、お越しの際はくれぐれもご注意願います。

3月14日に「あかつきに雁を見る会」を
3月6日、13日、20日に「たそがれに雁を見る会」を開催する予定です。
※コロナの状況を見ながら最終的に開催可否の判断をいたします。

(中村T)

皆さまこんにちは。

苫小牧市内でレンジャク類がとても多いですね。私は今年の冬しか知らないので例年と比較することはできませんが、この間は少なく見積もっても500羽が電線にズラーッと並んでとまっていました。黒く見えているのがすべてそうです。ほぼキレンジャク、ヒレンジャクは1割以下という印象でした。
市内レンジャク

頭から尾の先までとても優雅で美しい陶器のようなレンジャク類、じっくり観察するには好機かもしれません。ですが...きれいな話はここまで...当然彼らは排泄をします。整列した彼らの下には赤い排せつ物が地面を覆うようにびっしりとこびりついているわけです。食べているのはナナカマド、消化しきれずにほぼそのまま出てきているようです。その下を歩くには傘が必要になります。なにもそこまでして歩く必要は無いので、私は当初大喜びで写真撮影をしていましたが、今では一本違う道、もしくは道路の反対側に渡って避けるように歩くようになりました。

ツグミもとても多いという声がちらほら聞こえてきます。私も市内で50羽程度の群れを見ました。レンジャクのように密度の高い群れにはなりませんが、なかなかの迫力です。その中にノハラツグミ、亜種ハチジョウツグミも混じっているようです。是非探して来館時に情報をいただければと思います。

ノハラツグミ BIRD FANのページへ
頭、耳羽が青灰色なのが特徴です

亜種ハチジョウツグミ BIRD FANのページへ
胸の班と尾が赤褐色なのがツグミとの違いです。

ちなみに私はさっぱりです。微妙な判定の時はとりあえず写真を撮影し詳しい人に見てもらってくださいね。答えを出したくない、もしくは一緒に唸りたい人は私のもとへどうぞ。

(中村T)

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

ここ数日、平均よりも暖かい日が続き足元はグチャグチャな状態です。今朝のウトナイ湖周辺は湿った重たい雪が降り、雪かきは重労働になりました。自然観察路の木道は大変滑りやすくなっていますので、いつも以上にお気を付けください。私も何度か逝きかけました。

さて、1月ももうすでに半分が過ぎてしまいました。早いものです。

現在開催中の雁のいろいろアート展に俳句が数首出展されております。出展者の方も来館されていますが、私は一句、とても好きな句があり、作者の方にお会いしたいと願っておりますが、まだいらっしゃっていないようです。17音で雁の渡りのスケールの大きさを表現できるなんてすごいなと、改めて言葉の力に感心しました。絵画や写真、造形作品もそうですが、作者が雁をどのように見ているのかという視点がわかって面白いです。ウトナイ湖のレンジャーも出展していますので、ついでに見てやってください。
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勇払川の河口に、ミニ氷山かなと思いきや...コブハクチョウが2羽いました。ハクチョウの渡りがピークの際には、申し訳なさそうに端で過ごしていましたが、今は心なしか堂々としているように見えます。渡らなくても何も後ろめたいことはないさ。思う存分逆さになって水草を食べてくれ。

(中村T)

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