カテゴリ: 野鳥の生態

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

さて、水鳥の状況ですが今日の午前中、センター正面に約400羽のガン類が確認されました。ピークの時間に観察できていないのですが数千はいるのかなぁ。カウントをした方、情報をいただければ嬉しいです。

そして、ご存じの方も多いと思いますが、先日(公財)日本野鳥の会がウトナイ湖サンクチュアリでタンチョウのヒナを確認、というプレスリリースを行いました。

プレスリリース2020.10.1勇払原野一帯では130年ぶりウトナイ湖サンクチュアリでタンチョウのヒナを確認

それに伴い、多くの方が来館されています。
そして、いい感じにダイサギが正面の対岸にとまっているので「あ、タンチョウだ!」という誤認(私が得意なやつです)も多数発生しております。ダイサギ連中はわかってやっているのでしょうか、今も正面を4羽が悠々と飛んでいきました。
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遠目から見ると紛らわしいダイサギですが、実際はタンチョウよりもだいぶ小さいです。そして首が細長く余っているような印象でくちばしと足以外は真っ白です。

タンチョウは全長145センチ、翼開長は250センチにもなります(ダイサギはそれぞれ90センチ、140センチ)。そして風切羽(次列、三列)に黒が入ります。尾が黒く見えますが、実際には畳まれた風切羽なのです。(諸事情によりタンチョウの画像はありません)

来館される方の多くは、そっとしておいてほしいという意見がほとんどで、私たちも同じ考えです。姿を見ることはできませんが、とりあえず、私たちの身近なところでタンチョウのヒナが育っているという事実に思いを馳せていただけると嬉しいです。そしてもし出会うことがあっても、そっとその場を離れていただけると幸いです。一野鳥ファンとしてのお願いでした。

ちなみに、私はダイサギもダイスキです。誤解のないように。

(中村T)

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

先日、ハクチョウの小径で怪しい糞を見かけました。怪しい糞というのはヒグマじゃないか?ということなのですが、写真を撮り、実際に詳しい人にも見てもらいましたが...とりあえずヒグマではないということは確認できました。大騒ぎの発端は私です。皆さまお騒がせしました。

さて現状、一番可能性の高い落とし物の主はこの方です。
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コブハクチョウ。
最近船着き場付近の砂浜にやってくることが多く、付近に糞がたくさん落ちています。怪しい糞は少し散策路に入ったところに落ちていたので、なおさら断定には至りませんでした。それにしてもハクチョウの仲間はあんなにダイナミックなう○ちをするのですね。私の3日分ほどの分量がありました。実際にこの目で見て確かめてみてください。あなたもヒグマの糞だと思うはず。

食事中の方、大変失礼いたしましたー!

ウトナイ湖周辺では過去にヒグマの目撃情報もあります。暗い時間帯の一人歩きは十分にご注意ください。

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

さて、ウトナイの近況です。スズメバチの巣があるため立ち入り禁止になっている草原の観察小屋ですが、有志の方が巣を駆除してくださいました。コガタスズメバチという種のようです。巣本体は駆除できましたが依然あたりを飛び回っているのでしばらくは近づかないようにお願いします。

その駆除した巣ですが、ご丁寧に持ってきてくださいました。
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「家庭を一つ壊してしまった...」とその方はおっしゃっていましたが、展示という形で利用させていただきます。生態を知るよい機会となるはずです。巣材は木の皮と唾液を丸めた団子状のもので、それをコツコツ張り付けていくから模様ができるようですね。この巣はまだ小さく(直径10センチほど)大きいものになると30センチ以上のツボのような形になります。そうなってしまうとフル装備の専門家にお願いしなければいけません。

肝心の野鳥に関しては「しーん」とした感じです。さえずりもすっかり止み今年生まれの幼鳥もそろそろ独立の時期なのか親鳥と行動を共にしている姿を見る機会も減りました。この前見た幼鳥は自分で虫を捕まえて食べていましたし、野鳥の成長は早いですね。巣を出てすぐにサバイバルが始まるから当然ですが、それにしても本能はすごいなと改めて感じます。

バードバスにはカラ類、センダイムシクイ、ヒヨドリ、メジロなどが相変わらず水浴びにやってきます。中には幼鳥らしきものも混ざっていますのでぜひゆっくり観察に来てください。暑い日が続くと人間も水浴びしたくなりますね。海に行きたいなぁ。

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

4連休真っただ中、いかがお過ごしでしょうか?
本来東京オリンピックが開幕していたはずの連休ですね。そういわれると少し体を動かしたくなります。

さて、最近のネイチャーセンター周辺の動植物の状況ですが、複数の来館者の方がシマリスを目撃しています。エゾリスに比べ観察距離が近く、気づいたら目の前に!なんてこともあるのでカメラ・双眼鏡を構えつつゆっくり歩きましょう。油断して全然関係のないことを考えているときに限って、見たいものが出てくるものです。

ネイチャーセンター周辺で見ごろの植物を一つ
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ノリウツギの真っ白な装飾花が見ごろですね。中村チーフ曰く「今年のノリウツギは特にきれいだ!」とのことです。嬉しそうにカメラ片手に出かけていきました。

さて、私は館内の資料整理をすることが多いのですが、よく聞かれるフクロウについてまとめてみました。フクロウという名前ですが、フクロウ科の仲間全般を指してフクロウと呼ばれることが多いのですが、「フクロウ」という種もちゃんと存在します。

2009~2019年の間に観察されたフクロウの仲間ですが、フクロウが8回、コミミズクが4回となっております。レンジャーが出勤し記録をつけた回数が約2700回なので確率的にはものすごく低いということですね。ですが、フクロウを狙って見ようとしていたわけではないですし、夜間に観察もしていないので、あくまで参考ということで。実は毎晩、当館の近くの枝にとまってこちらを見ている可能性も、ないわけではありません。そう考えただけでワクワクします。

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

ホオノキの葉が大きくなってきました。葉が輪になってつくので輪生と言います。葉の付き方には他に互生、対生などがあり、樹木の識別の際に役に立ちます。
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突然ですが、先日カラスに襲われました。場所は野生鳥獣保護センター付近の自然観察路です。人生で数回しかありませんが、あまり気持ちの良いものではありませんね。ということで、なぜカラスは人を襲うのかを調べてみました。参考にしたのは、NPO法人札幌カラス研究会の冊子「自治体担当部署のためのカラス対応マニュアル」、中村眞樹子著「札幌のカラス」です。共に読み物として面白いので機会があればご一読を。当館の蔵書にもございます。

まず、恥ずかしながら知らなかったことがあります。人を襲うのはハシブトガラス(ブト)で、ハシボソガラス(ボソ)は基本的に攻撃には出ないようですね。そして、その好戦的と思われるブトも攻撃的になるのはヒナの巣立ち前後の限られた期間(2週間程度)ということです。襲われた経験があるといつでも襲ってくる印象がついてしまうので、こちらもビクビクしてしまいます。

カラスは記憶力が優れていて一度人間に攻撃されるとその外見を覚えていて似たような人を見かけると警戒をして襲うことがあるようです。ということは、よく襲われる人は、よく襲う人に似ているということです。ん? 少し意味が分からないですが...カラスの巣に石を投げたりしている人を見かけたら、その人の背格好を覚えておいて、その人と違う身なりにするとよいのですが、実際にはそうはいきません。体格も服装も動きも至極平凡な私なんかはどう考えても襲われる可能性が高いということになります。

よくコワいお兄さんに絡まれる人っていると思います。私もどちらかというとそういう質です。実はカラスに絡まれる人とコワいお兄さんに絡まれる人には共通点があります。それは、相手を意識して緊張する、きょろきょろする、など、こちらが何らかの警戒アクションを起こすと相手も攻撃態勢に入ります。ですがカラスの場合はただ自分と家族の身を守ろうとしているだけで、コワいお兄さんが絡んでくる理由とは違います。(あながち間違っていないかも)

一度気付いてしまったものを意識しない、ということは至難の業なので、コワいお兄さんやカラスに気付いてしまった場合は、歩くルートを自然に変える、走って逃げない(カラスはハンターなので追ってきます。コワいお兄さんがハンターかどうかはわかりません)、両手を揚げる(頭部への攻撃を防ぎます。コワいお兄さんには逆効果か!?)等の対策をすべきです。

少しふざけて書きましたが、カラス側には悪気は全く無く、防衛本能ということなので、お互いに刺激しあわないように程よい距離感を保ち共生できたらと思います。もちろん、コワいお兄さんとも分かり合える日が来ると嬉しいです。まずは自分にも原因がある、ということを意識しなければいけません。

(中村T)

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