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ゴールデンウィーク中は、パッとしないお天気が続くようですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

ウトナイ湖サンクチュアリは、今月で開設40周年を迎えます。それに合わせて、これまでの主な保護活動を振り返るパネル展を昨日から開催しています。
この展示を作成するにあたり、当時の新聞や会誌「野鳥」など様々な資料を読んでみると、今のウトナイ湖の自然環境があるのは、勇払原野の希少性にいち早く気づいて、サンクチュアリの職員とともに、保全活動を進めてくださった苫小牧市民、日本野鳥の会の全国の会員のみなさまのおかげなんだとあらためて感じました。


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パネル展示


ウトナイレジェンド4名による(過去のウトナイ担当レンジャー)当時を振り返ったコメントと、シマクイナの本剥製もありますよ。

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現在、勇払原野では、風力発電の建設が計画されています。このパネルをご覧いただいて、今後の勇払原野はどうあるべきか、お一人おひとりそれぞれ考えるきっかけにしてくださるとうれしいです。
11月まで展示していますので、お時間があるときに、どうぞお立ち寄りください。


zen

皆さまこんにちは。

まずは、いつものように注意喚起からです。
寒暖差の激しい天候により、林道、自然観察路(木道含む)は大変滑りやすい状況が続いています。特に早朝に歩かれる方はくれぐれもご注意ください。

さて、3月になりましたので、2月のウトナイ湖で観察された野鳥を振り返ってみたいと思います。

キジ、マガン、コブハクチョウ、オオハクチョウ、オカヨシガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、コガモ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、ダイサギ、トビ、オジロワシ、オオワシ、チュウヒ、ノスリ、コゲラ、オオアカゲラ、アカゲラ、ヤマゲラ、カケス、カササギ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ハシブトガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、キレンジャク、ゴジュウカラ、キバシリ、ツグミ、ハクセキレイ、マヒワ、オオマシコ、ウソの計39種でした。

種数は少なく寂しい印象でしたが、そんな中でも道の駅側、勇払川の河口の凍っていない部分で、カモの仲間をたくさん見ることができました。ミコアイサ♂を久しぶりに見て、相変わらずつっぱってんなぁーとテンションが上がりました。

珍しい種としては、オオマシコでしょうか。2013年の2月以来の確認です。

キジはネイチャーセンターのバードバスの奥のほうをトコトコ歩いていました。昨年の春もセンター付近で数回目撃していますので、今が見やすい時期なのかもしれません。厳密には野鳥とは言えないのかもしれませんが、観察できると嬉しいことには違いありません(特に♂)。まだ見たことないよという方は草原、灌木林周辺で地面を歩く姿勢が良い鳥を探してみてください。

マガンも2月末にNC上空を飛ぶ姿が確認されました。昨日(3/5)に行われた今春初の「ウトナイ湖ガン類飛来数調査」では、マガンが1680羽、ヒシクイが40羽確認されたようです。なんと昨年同時期の10%ほどという数字になりました。湖の氷の状況なのか、先日の大雪の影響なのか、不明ではありますが、鵡川など近郊からは万単位のガン類の目撃情報も入ってきていますので、ウトナイ湖ではなく近くの水辺で羽を休めているのかもしれませんね。

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イソシギのテラスよりの眺め。美々川河口部の凍っていない部分が広がってきました。夜間はこのあたりでマガンが休んでいるはずです。

ネイチャーセンターではみんなで雁(がん)を見るイベントを開催します。是非ご参加ください。直前まで受け付けておりますので、お電話、メール、FAXでお問い合わせください。
※たそがれは事前予約不要です

「たそがれに雁を見る会」
3月6日(土)、13日(土)、20日(土・祝)の午後5時(受付開始は午後4時半から)~午後6時

「あかつきに雁を見る会」
3月14日(日) 午前5時~6時半

いずれも早朝or夕暮れ時となります。参加される方はくれぐれも暖かい服装で。まだまだ寒いです。


突然ですが、私がこのブログを書くのはこれが最後になります。
皆さまお元気で! 素敵な鳥見生活を!

(中村T)

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

ここ数日、平均よりも暖かい日が続き足元はグチャグチャな状態です。今朝のウトナイ湖周辺は湿った重たい雪が降り、雪かきは重労働になりました。自然観察路の木道は大変滑りやすくなっていますので、いつも以上にお気を付けください。私も何度か逝きかけました。

さて、1月ももうすでに半分が過ぎてしまいました。早いものです。

現在開催中の雁のいろいろアート展に俳句が数首出展されております。出展者の方も来館されていますが、私は一句、とても好きな句があり、作者の方にお会いしたいと願っておりますが、まだいらっしゃっていないようです。17音で雁の渡りのスケールの大きさを表現できるなんてすごいなと、改めて言葉の力に感心しました。絵画や写真、造形作品もそうですが、作者が雁をどのように見ているのかという視点がわかって面白いです。ウトナイ湖のレンジャーも出展していますので、ついでに見てやってください。
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勇払川の河口に、ミニ氷山かなと思いきや...コブハクチョウが2羽いました。ハクチョウの渡りがピークの際には、申し訳なさそうに端で過ごしていましたが、今は心なしか堂々としているように見えます。渡らなくても何も後ろめたいことはないさ。思う存分逆さになって水草を食べてくれ。

(中村T)

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

先日の低気圧の影響で、ネイチャーセンター周辺も雪が積もりました。自然観察路は木道部分は除雪するよう努めておりますが、降雪状況、スタッフの都合で適宜行えない場合があります。通行の際には踏み外し、スリップによる転倒に十分ご注意ください。

こちら、目の前に来てくれた亜種シマエナガです。その人気はいまだ健在、自分が良く映える角度をわかっているようです。
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1月もすでに9日ですが、12月のウトナイ湖の野鳥を振り返ってみたいと思います。

観察できた野鳥は、ヒシクイ、マガン、ハクガン、コブハクチョウ、コハクチョウ、オオハクチョウ、オカヨシガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、ホオジロガモ、カワアイサ、カイツブリ、カワウ、ダイサギ、オオバン、シロカモメ、トビ、オジロワシ、オオワシ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、オオタカ、ノスリ、コゲラ、オオアカゲラ、アカゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キクイタダキ、ハシブトガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、ゴジュウカラ、キバシリ、ツグミ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、の計46種です...ぜえぜえ。

例年12月と1月は観察できる野鳥の種数は少なくなります。
少なくなる要因として、渡りの時期ではないこと、ウトナイ湖で越冬する種がほとんどいないこと、夏鳥に比べ冬鳥は種類が少ないこと、などがあげられるかなと思います。
直近5年の観察種数の推移をグラフにしてみました。(2020年は12月までのデータです)
種数

大体毎年、同じようなカーブを描きます。10月、9月、4月の順に観察種数は多くなっています。2015年10月にはなんと100種が観察されています(この年は長年ウトナイで標識調査をされているT氏のデータも加えて多くなったようです)。グラフで見ると渡りの時期で多くなっているのが一目瞭然。10月が多くなるのは居残っている夏鳥、やってきた冬鳥、渡り途中の旅鳥が混ざる、まさに野鳥のハブの様相を呈します。キビタキ、オオルリと同時に冬鳥であるマヒワ、ツグミも観察されています。1年で一番アツい月が10月というわけです。

観察種数が少なくなる冬季、皆様には鳥にまつわるアートで楽しんでいただこうと、毎年開催しているのがこちらです!

第6回雁のいろいろアート展

当館開館日にレクチャールームにて好評開催中です。是非お立ち寄りください。

(中村T)

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

まずは、昨日撮影した画像から。最近頻繁に観察できるオオアカゲラ(♀)です。アカゲラかな?と思って双眼鏡を構えて、オオアカゲラだとちょっとお得感があります。
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さて、日曜日ですが、またハクガンが観察されました。15羽±だったようです。ちなみにわたしはいまだに観察できていません。すべて他のレンジャーもしくはビジターさんからの情報です。私も見たいんですけど...

今シーズンは

11.6 亜成鳥1羽 ※今シーズンの初認
11.11 5羽
12.5 10羽±
12.20 15羽±

と推移しています。
秋の渡りとしては数が多いので、来春はウトナイでの最大観察羽数の更新が期待できると、私は思っていますが...Tレンジャーいかがでしょうか。ご助言を。過去二年間は3月初旬に最大羽数を記録しています。だが、数万のマガンの中から探すことになるので、考えただけでも嫌になりますが...そんなことを言ってはいけませんね。

こちらはウトナイ湖における、ハクガンの最大観察羽数の推移をグラフにしたものです。
(棒がウトナイ、折れ線が日本雁を保護する会が確認した飛来数)

ハクガンの推移


観察日数を数値にしてしまうと、1羽(おそらく同一個体)が1週間続けて観察された場合と、10羽が2日間だけ観察された場合との比較で、前者の値が大きくなってしまうので、個体数に注目している今の私には合わないグラフになります。ということで、そのシーズンにおける最大観察羽数を採用しとります。
※シーズンとは秋から春にかけてのこと、例:2019シーズンは2019年9月~2020年4月

日本で確認されたハクガンの個体数は、1993年に行われた復元計画以降、その数は堅調に推移し、2009年からは明らかに増加しています。グラフ内折れ線の「日本雁を保護する会による飛来数の経年変化」でその増加の程度がわかります。2018年シーズンは685羽、2019シーズンは1965羽と過去二年間はそれが顕著です。ウトナイでの最大観察羽数(11羽、18羽)もそれに比例していますね。

以下参考にしたサイトです。

ハクガンの復元計画

東アジアにおけるハクガン(Anser caerulescens)の復元計画の現状と課題

現在日本にわたってくるハクガンは、ウランゲリ島出身なのか、はたまた、復元計画で卵を入れ替えたアナディリ湾周辺なのか、それとも全く別の場所なのか、それも知りたいところではあります。

ということで、春のハクガン探しにあなたも参加してみませんか?というお誘いでした。
今日は天気が良いのでイソシギのテラスでお昼を食べながら、ハクガンを探すことにします。

(中村T)

追記:この日のお昼に4羽、翌日に9羽見ることができました!

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