8月2日、ウトナイ湖を飛び出し、勇払原野と美々川の源流部の巡回に行ってきました。

まず、勇払原野の巡回です。勇払原野は、石狩低地帯の一角で太平洋に面しています。ウトナイ湖などの湖沼や湿原、森林といった環境から成り立っており、様々な野鳥の生息地になっています。
巡回では、アオバトやノビタキ、カワラヒワがよく見られ、原野の遠くをチュウヒが旋回飛翔している様子が確認されました。

チュウヒは、餌を安定的に確保できる湿原やアシ原などの環境が生息地です。現在は国内で90つがいほどしか確認されていなく、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類、国内希少野生動植物種に指定されています。チュウヒが生息していることは、勇払原野が多くの種類の小鳥が生息できる環境といえます。

弁天沼_IMG_8127


次に美々川の源流部です。美々川は、ウトナイ湖に流入しており、原生に近い形で流路が残されています。

美々川源流部_IMG_8140


湧水で形成された川が流れ、周囲を森が囲んでいます。森の中にはセンダイムシクイやキビタキのさえずりを確認しました。また、森の中では猛禽類の食べ跡が確認されました。

食痕_IMG_8141


猛禽類は、羽根をむしり、解体してからエサを食べます。羽根はボロボロになっており、種の判別はできませんでした。

ウトナイ湖の周囲には、豊かな環境が数多く残っています。ウトナイ湖だけでなく、周辺環境全体を保全していく必要があると感じた1日でした。

(稲葉)