皆さまこんにちは。見習いレンジャーのタイチです。

今回は昨日同行した勇払調査についてです。

「いやー、もっと勇払のことを前面に推してもらわなきゃ~」という中村チーフのボヤキに対応しての記事です。いやいや、私も書きたかったんですよ~勇払については。

勇払という言葉は誰が使うかによってその定義が変わります。ウトナイのレンジャーが使う際には「すでに登録されているウトナイ湖とその周辺を除く、ラムサール条約未登録の勇払原野エリア」というニュアンスとなります。わかりづらいですか? でもこれ以上わかりやすく説明するのは難しいので、また日を改めてここのところはお話をさせていただきます。

私も最初、先輩レンジャーが話している「ユーフツガー」「ユーフツデー」「ユーフツノー」という言葉に??って感じでしたが、最近やっと日本語に聞こえてきました。

調査の主たる目的は、そこを住みかとする野生鳥類を探し、希少種をはじめ様々な種が住んでいることを確認し、それを広く知ってもらい、その大切さを皆さまにお伝えし、協力して守っていきましょう、というものでございます。現在メインサイトの勇払PJページは改修作業中で、今後わかりやすく見やすくなって再登場の予定です。今はまだ見ないでください。と言うとみんな見に行ってしまうんだよな...完成の際にはこちらでご報告いたします。

普段勇払原野を見ていて思うことがあります。それは、ここには人間の愚かな部分と人間の素晴らしい部分がまじりあって大地に練りこまれているのだな、というものです。そこには悪役もヒーローも存在せず、ただただ私たち一人一人が持っている、善悪ごちゃまぜの人間らしい部分を大地から感じることができるのです。
弁天沼の調査の様子弁天沼で鳥類調査をするレンジャー

ちょっと抽象的な表現になりましたが、人間が自らの手で失ってしまったもの、自らの手で守り抜いたもの、時間の経過で自然が戻りつつある部分、それらが共存しているとても珍しい場所ということです。その象徴が殺伐とした原野と工場・煙突が同じフレーム内に収まってしまうこういう画だと思います。

これは多くのベテランの方もおっしゃることで、まぁそれの受け売りなのですがね...やはりその変遷をその目で見てきた人に語っていただくのがベストなので、今後ネイチャーセンターの開館が再開しましたら、ボランティアの皆様や学生時代からかかわっているチーフの中村の話を聞きに来てください。
ただし、話は長くなりますよ...

苫小牧は風が強く肌寒い日が続いております。
皆さま、季節の変わり目ということでいつも以上に体調にお気をつけてお過ごしください。