皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

もうすぐ一月も終わりそうな雰囲気が漂ってきました。ここ数日は冷え込みも緩み穏やかな日が続いています。それにしても風が強いですね。

さて、自分の勉強もかねて、改めてワシ類の識別について書いてみようと思います。来館者の方に、上空を大きな鳥が舞っていたんだけど...と聞かれることが多いので。

まず、大きさなんですが、これは慣れていないと難しいです。私も遠くの猛禽類らしきモノを見ていて、その大きさを識別するのは至難の技、私以外のレンジャーは皆さんそれができます。まぁ、場数と経験の違いなのでしょう。なんか、絵で表現するとこんな感じになります。
飛んでる鳥1

「○○さん、何か飛んでますよ。あれは...少し遠いからわからないな...カラスかなぁ、ん、トビか?」
「いや、あの大きさだからワシだね。だって明らかに大きいじゃん」
こんなやり取りになります。明らかに大きい...比較対象がないので全くわかりませんけど...遠いのか近いのかもよくわからないからなぁ。

ウトナイでよく観察される猛禽類の実際の翼開長は以下のようになります。単位は㎝です。

オオワシ 約230
オジロワシ 約210
トビ 約160
チュウヒ 約130

確かにこう見ると明らかに大きいですよね。でも実際に屋外で、距離感のわからない中で観察すると感覚がつかめません。さらに、トビとワシ類は似たような飛び方をするので、遠くだとわかりにくいのです。しかし近くでじっくり観察することはできないし、光の条件もいつも良いとは限らないので、実際の観察場面で一番多用される識別ポイントは、飛び方とシルエットなのだと、一年近くここで野鳥を見続けてきてわかってきました。

ではそのシルエットで識別を試みてみましょう。
飛んでる鳥2

まず、対岸の葦原すれすれに、翼を反らせて飛んでいるのは彼しかいません。チュウヒです。

そして上空左側、尾の先端が直線、もしくは凹むのはあいつです。
トビです。

上空中央、翼が畳のような長方形で、尾が短いのはおなじみ、
オジロワシです。

最後に上空右側、翼の後縁に丸みがあり、尾が長くクサビ型なのはあのお方、
オオワシです。

ということで、大きさとシルエットで大まかな予測をし、それを足掛かりに識別を試みると現場で慌てずに済みます。まずはトビを基準にするといいようです。先輩レンジャーによると、そういった見飽きるくらい出没する鳥をじっくり見ておくのが野鳥観察の基本のようです。トビもヒヨドリもスズメもしっかりと役目があるのですね。

(中村T)