2020/04


皆さまこんにちは。見習いレンジャーのタイチです。

まずはウトナイの近況から。エゾアカガエルの鳴き声が連日聞かれるようになりました。学名 Rana pirica。ピリカは皆さんご存じのようにアイヌ語で美しいという意味で、響きも美しい言葉です。見た目は地味なカエルですが、鳴き声は高く、野鳥のような美声です。北海道全域で一般的な種ですので鳴き声を頼りに探してみるのも面白いかもしれませんね。タスオ池では少年が棒でつんつんしてました。つんつんはあまりしないでほしいと思います。あくまでそっと、ノーツンツンで、見守ってあげてください。
エゾアカガエルの画像

さてタイトルにもありますように、前回の続きでバードウォッチングに関するお話です。今回は実践編ということでまずは必要な装備について。双眼鏡、図鑑、この二つがあれば十分に楽しむことができます。双眼鏡については貸出しを行っている施設もありますし、少し高い買い物にもなりますので、使い方や特徴を理解してから買っても遅くはないでしょう。

フィールドで使う図鑑は小ささと分かりやすさを優先させてください。ということでここでは忖度をいたしまして日本野鳥の会が発行しております

<ハンディ図鑑>新・山野の鳥 改訂版

をおすすめしておきます。なお、掲載種類が最小限、ということも初心者にとっては大事な要素になります。調べるときにその地域にいない鳥が無駄にたくさん掲載されていると、探すのにも時間がかかるからです。地域の名前を冠したポケット図鑑なども多く発売されているので探してみてください。大都市にお住まいの方は見つけやすいかな。

ポケット図鑑と双眼鏡が準備できたら、いよいよ鳥を探しに外に出てみましょう!

急にそんなこと言われても...とお困りの優柔不断なあなたには、お住まいの地区の日本野鳥の会の支部が主催する探鳥会(たんちょうかい)に参加されることをお勧めします。地元を知り尽くしたベテランガイドが案内してくれるはずです。初心者であることを伝えれば配慮もしてくれるはずですので、堂々と「初心者宣言」をしてください。大事にされますよ。

でも、いきなり大勢の前で自己紹介とかさせられるんじゃ...とお困りの引っ込み思案なあなたには、気の置けない仲間と鳥を探す少人数スタイルをお勧めします。ご家族、ご友人と同じ図鑑を購入し、見ることができた鳥のページにおそろいのシールを貼って成果を共有していく、なんてのも楽しいです。今はインターネットもありますし、鳥の識別に困ったときには助けになりますよ。

いやいや、俺は群れるのが嫌いなんだ、ほっといてくれ、というアナーキーなあなたには完全ソロスタイルをお勧めします。一人ですべてを完結させるその生き様に皆が憧れることでしょう。誰に遠慮する必要もありません。好きなだけ同じ場所にいればいいし、寒くなったら帰ればいいし、飽きたらやめればいいのです。

以上、人数による違いで分別してみましたが、それぞれに長所短所はあります。それぞれを経験してみて、ご自身にあった方法を模索してみてください。もちろん「スタイル横断的スタイル」もいいと思います。私自身はそれに近いかな。普段は一人で出かけるのが好きなのですが、寂しくなったり新しい知識を仕入れたくなった際にはイベントに出かけたりもする都合の良い人間です。

と、ここまでお話しておいて申し訳ないのですが、昨今のコロナウイルス感染拡大を受けまして、日本野鳥の会各支部の探鳥会は中止となっております。以下で最新の情報をご確認ください。

探鳥会中止のお知らせ

今日はここまでです。状況が状況だけにまじめに締めたいと思います。

(中村T)

風もなく穏やかなウトナイ湖です。
でも、今日は日差しがないせいか肌寒く感じました。
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「あずまや」の前にのんびりと水草を食べている1羽のオオハクチョウがいました。
おそらく、ケガなどの理由で渡りができずに、1年中ウトナイ湖で暮らしている個体だと思われます。
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「ハンノキのテラス」の前では、1羽のコブハクチョウがスーーーッと泳いで行きました。
こちらもウトナイ湖に住み着いている個体です。
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遠く対岸近くにもカモの仲間が数羽いましたが、種別はわかりませんでした。
3月の賑やかさとは対照的な静かな湖です。
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林の中も、シジュウカラやエナガのさえずりが聞こえるくらいで比較的静かでした。
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フッキソウはまもなく開花しそうです。
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フキノトウはもうこんなに大きく成長していました。
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もうじき繁殖のため夏鳥たちが続々と渡ってきて、林の中も賑やかになると思います。
是非、春のウトナイ湖の散策をお楽しみください。

(山浦)







ほぼ残雪が見られなくなったウトナイ湖。
湖岸沿いを歩くと、ユスリカの仲間(刺さない小さな昆虫)が飛んでおり、春を感じます。
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林の中では、ナニワズが開花。
観察で近づく際は、足元で一生懸命、芽を出し始めた植物たちを踏まないようにお気を付けください。
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イヌコリヤナギの芽も膨らんできています。
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エゾノバッコヤナギは、かたい冬芽を破り、出てきた白い綿毛が目立っています。
よく見ると、黄色い花粉も。
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白い綿毛が広がっていると思い、見上げると、上空にオジロワシの幼鳥が飛んでいました。
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ハスカップの小径の木々は、まだ葉が出ていないため、野鳥は見やすいです。
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木をたたく音がするほうを見上げるとアカゲラの姿が。
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「チリリリリ」と聞こえる小さな声のする方を見ると、木を登っていくキバシリが。
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湖岸沿いにはダイサギがいました。
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風が強い日などもありますので、体温調節のできる服装で散策されることをおすすめいたします。

(和歌月)

ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター(植苗150-3)は、本日4月4日から開館をしておりますが、コロナウィルス感染拡大防止のため、開館時間は9:30~16:30となり、望遠鏡等をご使用いただけません。
詳しくは、ホームページネイチャーセンター開館の再開についてをご覧ください。


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 本日(2日)午後2時~3時に「イソシギのテラス」~ハクチョウの小径~「道の駅」前湖岸を巡回し、状況を把握しました。冷え込みはないものの、強い風が吹き、湖面は波立っていました。

 確認した水鳥とワシ・タカ類は、コブハクチョウ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、ホシハジロ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、カンムリカイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、トビ、オジロワシ、オオワシ、チュウヒでした。(中村S)

イソシギのテラス
「イソシギのテラス」の周辺は、まだまだ枯れ野。手前にカワアイサが2羽いるのみ

船着き場
こちらは船着き場。カモ類は遠くに浮かんでいるが、波立っているので見つけにくい

「野鳥と高病原性鳥インフルエンザ」についてはコチラもご覧ください

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