2021/01

 ウトナイ湖では高病原性鳥インフルエンザの感染(拡大)予防対策として、定期的に巡回調査を行なっています。北海道内でハヤブサへの感染が確認されるなど、国内複数箇所で発生している現在の「対応レベル3」のもと、監視を強化しています。

 1月28日は、13時~14時に「道の駅」前湖岸や「ハクチョウの小径」、「イソシギのテラス」などで状況の把握及び視野内でのカウントを行ないました。確認種は、コブハクチョウ、オカヨシガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、トビ、オジロワシ、オオワシで、水鳥やワシ・タカ類に衰弱・死亡個体はなく、異状はありませんでした。1月はこの28日を含め、4回の巡回を行ないましたが、異状は確認されていません(中村聡)


写真1.
「道の駅」展望施設の屋上から見た、湖の南西部。勇払川の流入部に少し水面が広がり、ここではマガモやヨシガモを確認した

写真2.
「湖岸の観察小屋」から見た、湖の北部。遠くに、凍らない美々川の流入部

写真3.
氷上にたたずんでいたオオワシの幼鳥が突然飛び立ち、何処かへと向かった


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皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

もうすぐ一月も終わりそうな雰囲気が漂ってきました。ここ数日は冷え込みも緩み穏やかな日が続いています。それにしても風が強いですね。

さて、自分の勉強もかねて、改めてワシ類の識別について書いてみようと思います。来館者の方に、上空を大きな鳥が舞っていたんだけど...と聞かれることが多いので。

まず、大きさなんですが、これは慣れていないと難しいです。私も遠くの猛禽類らしきモノを見ていて、その大きさを識別するのは至難の技、私以外のレンジャーは皆さんそれができます。まぁ、場数と経験の違いなのでしょう。なんか、絵で表現するとこんな感じになります。
飛んでる鳥1

「○○さん、何か飛んでますよ。あれは...少し遠いからわからないな...カラスかなぁ、ん、トビか?」
「いや、あの大きさだからワシだね。だって明らかに大きいじゃん」
こんなやり取りになります。明らかに大きい...比較対象がないので全くわかりませんけど...遠いのか近いのかもよくわからないからなぁ。

ウトナイでよく観察される猛禽類の実際の翼開長は以下のようになります。単位は㎝です。

オオワシ 約230
オジロワシ 約210
トビ 約160
チュウヒ 約130

確かにこう見ると明らかに大きいですよね。でも実際に屋外で、距離感のわからない中で観察すると感覚がつかめません。さらに、トビとワシ類は似たような飛び方をするので、遠くだとわかりにくいのです。しかし近くでじっくり観察することはできないし、光の条件もいつも良いとは限らないので、実際の観察場面で一番多用される識別ポイントは、飛び方とシルエットなのだと、一年近くここで野鳥を見続けてきてわかってきました。

ではそのシルエットで識別を試みてみましょう。
飛んでる鳥2

まず、対岸の葦原すれすれに、翼を反らせて飛んでいるのは彼しかいません。チュウヒです。

そして上空左側、尾の先端が直線、もしくは凹むのはあいつです。
トビです。

上空中央、翼が畳のような長方形で、尾が短いのはおなじみ、
オジロワシです。

最後に上空右側、翼の後縁に丸みがあり、尾が長くクサビ型なのはあのお方、
オオワシです。

ということで、大きさとシルエットで大まかな予測をし、それを足掛かりに識別を試みると現場で慌てずに済みます。まずはトビを基準にするといいようです。先輩レンジャーによると、そういった見飽きるくらい出没する鳥をじっくり見ておくのが野鳥観察の基本のようです。トビもヒヨドリもスズメもしっかりと役目があるのですね。

(中村T)

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

他所の記事を書くためにいろいろ調べものをしていて、面白いことがあったのでちょっと書いてみます。

Bird watching バードウォッチングという言葉はいつ頃から一般的になったのか。

昭和9年(1934年、今から87年前)に発行された、日本野鳥の会の会報「野鳥」に、秦發雄氏「新聞紙上に見る小鳥記事について」という記事があります。秦氏が野鳥に関する新聞記事をスクラップしその見出しを羅列したものなのですが、その中に以下のようなものがありました。


バードウォッチング 

「籠の鳥」より「林の鳥」 

自然のままの小鳥を楽しむ趣味をかねた新スポーツ


おそらく昭和9年かそれ以前に、新聞紙上に掲載された記事のようです。趣味をかねた新スポーツ、という言葉が興味深い。「バードウォッチング」は当時、一部の関係者や知識人だけが使っていた言葉なのでしょう。今で言うと何になるのか。趣味をかねた新スポーツで外国から入ってきたものでまだ一般には周知されていないもの...思い浮かびませんが、でもこの短い見出し言葉でも当時の野鳥に対する考え方がよくわかって貴重な資料だと思います。

野鳥の会の創始者、中西悟堂も自邸内で幾種もの野鳥を放し飼いにしていたようですし、メジロ、ウグイスなどの野鳥を捕まえて籠に入れて飼育し、その姿や鳴き声の美しさを競わせるのが当時は一般的だったようです。常識が変わり始めた時点...今では野鳥を捕獲し飼育することは、いかなる種であっても鳥獣保護法で禁止されていますし、野鳥の観察=屋外(自然を背景に)での活動、というのが当たり前になっています。

おそらく当時の読者は、まだ双眼鏡も未発達の時代でしたし、あまり共感はしなかったでしょうね。「何を言っているんだ、じっくり観察するには捕まえて籠に入れたほうがいいじゃないか!」といった声が聞こえてくるようです。令和の現在でも何か新しい考え方を紹介しようとすると、現状の「当たり前」を根拠に同じような反応が返ってきがちです。そういうときは自分の立ち位置を意識して変えてみて、もう一度普段自分がしている当たり前のことを考え直すように、私はしています。野鳥を愛する皆さまもそうだと思います。
オオハクチョウ

画像がないので一枚だけ。先ほど湖上を低空飛行していたオオハクチョウ。よくとおる綺麗な声で鳴いていました。オオハクチョウは雪の背景がよく似合います。

(中村T)

皆さまこんにちは、見習いレンジャーのタイチです。

ここ数日、平均よりも暖かい日が続き足元はグチャグチャな状態です。今朝のウトナイ湖周辺は湿った重たい雪が降り、雪かきは重労働になりました。自然観察路の木道は大変滑りやすくなっていますので、いつも以上にお気を付けください。私も何度か逝きかけました。

さて、1月ももうすでに半分が過ぎてしまいました。早いものです。

現在開催中の雁のいろいろアート展に俳句が数首出展されております。出展者の方も来館されていますが、私は一句、とても好きな句があり、作者の方にお会いしたいと願っておりますが、まだいらっしゃっていないようです。17音で雁の渡りのスケールの大きさを表現できるなんてすごいなと、改めて言葉の力に感心しました。絵画や写真、造形作品もそうですが、作者が雁をどのように見ているのかという視点がわかって面白いです。ウトナイ湖のレンジャーも出展していますので、ついでに見てやってください。
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勇払川の河口に、ミニ氷山かなと思いきや...コブハクチョウが2羽いました。ハクチョウの渡りがピークの際には、申し訳なさそうに端で過ごしていましたが、今は心なしか堂々としているように見えます。渡らなくても何も後ろめたいことはないさ。思う存分逆さになって水草を食べてくれ。

(中村T)

ラムサール湿地であるウトナイ湖は季節によってさまざまな水鳥が見られます。
その中でも、ウトナイ湖を代表する水鳥として「ガン類」が有名です。
春と秋には、マガン、ヒシクイの群れが見られ、近年ではその中に、ハクガンやシジュウカラガンが見られることもあります。
これら「ガン類」の魅力を、アート作品を通じて多くの方に知っていただこうと、本日よりネイチャーセンターのレクチャールームで「第6回 雁のいろいろアート展」を開催中です。

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ガン類に関する絵、写真、マンガ、レース編み、立体作品など様々な作品が集まりました。
作者の皆さんは苫小牧市内、道内、道外と様々です。

昨日は、きゅうきょ手伝いに来てくださったボランティアさんと一緒に作品の展示を行いました。

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4月29日(祝・木)までのネイチャーセンター開館日(土・日曜日および祝日)にご覧いただけます。
皆様のご来場をお待ちしております。

(和歌月)

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